今回の投資詐欺から学ぶこと

投資詐欺の現状です
これまで何度か取り上げてきた“当社の名前を騙った投資詐欺”の2025年6月時点の状況をまとめます。警視庁、日本証券業協会、金融庁、関東財務局のみなさまから適切なご助言、ご協力を頂きまして、当社は投資詐欺に対してできる対応をすべて行う方針で尽力してきました。現在、投資詐欺の被害にあわれた方からのお電話は、ほとんどなくなりました。犯罪グループが当社の対応をみて、エアーズシー証券になりすましての詐欺で金銭を奪うことを断念したのであれば、ありがたいことです。
当社は、以下の詐欺サイトを認識していましたが、すべて、アクセスができない状況になっているようです。
https://airssea.org/main.html#/
https://airssea.jp/main.html#/
https://airssea.cc/main.html#/
https://airssea.com/main.html#/
当社の公式ホームページは、https://airssea.co.jp/ ですから、当社になりすますために当社の公式サイトと類似するドメインを詐欺グループは利用しています。投資詐欺に係る問題点として、当社と全く無関係の個人や組織が、当社を誤認させるドメインを取得できてしまうことがあります。“airssea.jp”のドメインに関しては、ドメインを管理しているのが日本の会社であり、当社が連絡を取ると真っ先に詐欺グループのドメインの使用を停止してくださいました。この場を借りて御礼申し上げます。
しかしながら、他のドメインは海外の会社が管理していて、詐欺サイトが当社になりすまして利用していることがなかなか伝わらず、ドメインを停止するのに時間がかかってしまいました。当社が認識した投資詐欺に利用されているドメインについて、警察にもお伝えして利用できなくするようにお願いしましたが、なかなか利用停止にするのは難しかったです。
一方で、振込先として利用されている口座に関しては、警察から当該金融機関に連絡をすることで、速やかに投資詐欺グループがお金を引き出せなくできることがわかりました。そのためか、犯罪グループは即座にお金をおろせるように、振込む日時を指定する行動に出ました。振込を急かしたり、日時を指定する投資話は、入金次第お金を引き出そうとする詐欺の可能性があります。
以下のリンクにありますとおり、関東財務局のホームページに『不明(エアーズシー証券株式会社の商号等を詐称)』が無登録で投資勧誘をしている旨の掲示があります。念のためにお伝えしますが、無登録なのは正体が“不明”な詐欺業者であって、当社のことではありません。当社は、「登録番号:関東財務局長(金商)第33号(平成19年9月30日登録)」で登録されていますので、誤解がないように申し添えます。
無登録で金融商品取引業等を行う者について(不明(エアーズシー証券株式会社の商号等を詐称))
投資詐欺に騙されてお金を振り込んでしまった方は、警察に被害届を出して救済を受けるための手続きを進めている状況かと思います。 ご不明な点などがありましたら、金融庁に相談窓口が設定されていますので、ご相談されてはいかがでしょうか。
■ 金融庁金融サービス利用者相談室
「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」
受付時間:平日10:00~17:00(電話受付)
電話での受付:0570-050588
※IP電話からは、03-6206-6066におかけください。
投資詐欺について学びましょう!
投資詐欺で大事なことは、自分は騙されないように注意しているので大丈夫と楽観的に考えない方がいいということです。今回の詐欺では、投資経験が方法でリテラシーが高いと考えられる投資家の方も騙されています。投資詐欺の手口や騙されないための注意点に関して、以前、このブログにも記載しましたが、日本証券業協会のホームページの以下のリンクがとても具体的でわかりやすいです。投資家のみなさんは、是非、ご一読頂いて、投資詐欺に備えるようにしてください。
日本証券業協会 「株や社債をかたった投資詐欺」の手口
投資詐欺に係る基本的な知識は、上にリンクを貼った日本証券業協会のサイトを読めばおわかり頂けると思います。ここでは、知識以外の心構えや対処法などについて記載します。
① 基本的に投資に関しては対面を重視しましょう。
・投資は、自宅の購入や保険の契約などと並んで、人生で重要な決断になります。インターネットと振込で完結できるタイプの投資は、とても便利ですが、詐欺にあうリスクも高いです。詐欺にあってから、お金を取り戻すのも難しい場合が多いです。まずは営業担当者に電話で話を聞いたり、実際に会って話ができることを確認してから契約する方が安心です。
・対面で話を聞くと断り辛くなることが心配な方もいらっしゃると思います。お気持ちはよくわかりますが、必ずしも対面や電話で断る必要はありません。落ち着いて考えてみて断ろうと思ったら、きっぱりとメールなどを断りますと伝えれば良いだけです。
② 騙されたことに気付いてからの行動が大事です。
・投資詐欺に関しては、騙されたことに気づいてからの行動が大事です。そんなうまい話があるかなぁと違和感を感じたり、疑問に思った時の対応が重要な分かれ目となります。振り込む前に、念のためインターネットで当社のホームページの電話番号を見つけて、電話をくださった方はお金を失わずに済みました。
・騙されたことに気づいたら、証拠になるものがないかを考えましょう。特に、投資詐欺グループとの最初の出会いは何だったのか、インターネットの広告の場合、何をしている時にその広告に気付いたか、インターネットの履歴等でその広告が残っていないかなどは、犯罪の証拠になったり、犯人逮捕につながったりします。
③ ひとりで悩まないで誰かに相談しましょう。
・投資詐欺に騙されていることに気づいたら、落ち着いてまずは話しやすい人に相談しましょう。ひとりで悩んでいても解決できません。ばかだなぁとか、なんでそんなことしたの、なんて叱られたり恥ずかしい思いをするかもしれませんが、話を聞いてもらうと気が楽になり、解決策が見つかったりすることもあります。
・私も警察には相談するのは気が重いと最初、思いました。中央警察署の窓口の方、警察官の方は、本当に親身になって相談に乗って下さいました。知り合いで相談できる人が思い浮かばなかったら、迷わずにこのブログに書いた相談室や警察に相談しましょう。案外、初対面の人の方が話しやすい場合もあります。まずは、誰かに相談しましょう!
④ 詐欺グループが逮捕されるようみんなで協力しましょう。
・投資詐欺にあった場合、自分が失ったお金をあきらめれば済む問題ではありません。失ったお金は犯罪者の手に渡り、社会を悪くすることに使われてしまいます。あきらめていいことはありません。警察に相談して、犯人逮捕につながれば、より多くのお金が戻ってくることも考えられます。何より犯罪は割に合わないことを証明して、同類の犯罪を防ぐことになります。
・投資詐欺をなくすことに関しては、警察、金融界が全力をあげて取り組んでいます。当社も「名前を使われただけで関係ない」みたいなスタンスで今回の投資詐欺に対応していたら、被害にあわれた方、当社のお客様を含むすべての方から厳しい非難を受けたと思います。詐欺グループの逮捕のためにみんなで協力しましょう!
ポンジ・スキームについて学びましょう
前回のブログで、ポンジ・スキームという投資詐欺について書きました。この詐欺について、もう少し詳しくご説明しましょう。ポンジ・スキームとは、簡単に言うと、「儲かりそうな投資の仕組みやアイデアを明示して資金を集めておきながら、実際には運用をしないで、集めたお金を着服する」詐欺です。違法な無限連鎖講で会員を増やして金を儲ける“ねずみ講”とは仕組みが違います。
1920年代に米国のチャールズ・ポンジという詐欺師が行った資金集めから、この名前が付きました。ポンジという詐欺師は、国際返信切手券という海外で取引される切手と米国切手の交換レートが為替の実勢レートを反映せずに固定されていることに目をつけました。割安な外貨建て(第一次大戦で負けて通貨安になっていたイタリアリラ)の国際返信切手券を買って、米国に持ち込んで米国切手に交換して売れば差額分を儲けることができるという仕組みです。ある意味、切手を使ったアービトラージ(裁定取引)です。
ポンジ氏は、自己資金で裁定取引を行って儲けるだけであれば、犯罪者にならなかったのですが、そのアイデアを資金集めに利用しました。自分にお金を預ければ、その裁定取引で儲けることができ、リスクなしに高い配当金を払うとしたのです。1取引で230%の利益になるとして、90日で50%の配当を払う仕組みにしたようです。
この詐欺のポイントは、国際返信切手を買わずに、集めたお金の元本で実際に配当を払うことで出資者を信用させたことです。実際に配当を受け取った人の口コミもあって、数か月で350万ドルのお金を集めたようです。最終的に集めた金額は、流通している国際返信切手券の総額以上だったようです。
ポンジ・スキームは「自転車操業」ですから、どこかで行き詰まります。国際返信切手券の取引実態がないことが暴露されて、この詐欺が明るみに出ました。 警察によって取引記録と帳簿が差し押さえられて、ポンジ氏は破産を宣告されました。後から出資した投資家は、配当を受けられないどころか、元本も損しました。
ヘッジファンドをポンジ・スキームじゃないかと疑う人がいるかもしれません。金融機関登録をしないで資金を集めるファンドの中には胡散臭いものがあるかもしれません。エアーズシー証券は、先程書きました通り、関東財務局に登録されている金融機関です。
お客様からお預かりしたヘッジファンドの購入資金は、分別保管されます。当社の社内ルールにより原則、当日中にカストディ銀行に海外送金します。尚、海外送金される資金の送金先の銀行名、支店名、口座名等を関東財務局に報告しています。エアーズシー証券が取り扱っているヘッジファンドは、ポンジ・スキームではないので、ご安心ください。
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