ヘッジおじさんのつぶやき提言

ブログを読まれる前に

このブログはファイナンシャルアドバイザーの立場から投資家の皆様のためにつぶやくことが原則です。出来れば書きたくないことの方が多いのが世の中です。しかし、知らないと不利なことが多いのです。たとえば、各運用会社がどうやって投資信託のファンドマネージャーを選別するのか?おじさんは一番気にかかります。自分の大切なお金の運用を任せるのです。気にかからない方がおかしいですよ。命の次の次くらいのお金の話です。運用を始める前に、おいしいコーヒーを横において見て頂ければ幸いです。

日本の構造改革は進んで行くのか?

長期投資が基本の理由(わけ)→ 短期は損気

新人類登場?

日本株式市場では、最高値更新が話題になっております。「失われた25年」の間、証券会社のトップは何人変わっただろうか?しかし、今年の大手5社のトップの方を見てみるとお一人を抜かして、相場を語れる方はいないようです。そのお一人も外資系の経験が長いようです。他の4人は銀行経営や企業ファイナンスなど法人部門の出身や企画部門の経験者です。リテール営業で顧客利益の最大化に正面から取り組んでいた人は誰もいません。今のトップの方には、最高値を更新したとしても「失われた25年」の過ごし方が違うので、感慨はあまりないのではないでしょうか?

新NISAが始まり、日本株式市場だけではなく、米国も最高値を更新する最中に開始していいのか、という批判に、証券トップ5人の方は、バブル当時の株価とは構造が違うと主張するでしょう。それ以前の上昇相場のダイナミズムを知らない世代です。当時は株価収益率の平均が約55倍でした。今はまだ、約16倍です、割高感はありません。これが、肯定的な意見の根拠です。要するに「バブル」ではないという主張です。

今の人、24時間戦えますか?

おじさんが、営業している時にまだ公開企業ではなかったR社は、今、日経ダウ採用銘柄です。株価収益率は約73倍。エネルギーのE社の株価収益率は約8倍です。おじさんには、それぞれ採用銘柄を見てみると最高値を更新した実感が湧きません。

日経平均上昇銘柄の中で、上昇率の高い業種は、半導体関連、AI関連。35年前の銘柄群にはないものです。確実に産業構造は変化しています。

半導体製造では1989年、世界トップ20に日本企業は、半数の10社です。世界シェアトップでした。そして2022年は3社だけです。その3社合わせても、韓国企業1社に届きません。もっと早くに政策の後押しがあれば、構造改革が進んだのでしょう。しかし、まだ諦めてはいけません。半導体製造装置業界は健在です。

構造変化の中で当時と今では、大きな違いがあります。金利です。日本銀行によれば、1989年12月の国債金利1年ものは約6%でした。現在は0.03%(2/27)です。金利でみれば当時の金利は今の金利の約200倍です。金利は成長力にとっては摩擦係数です。すごい成長力でした。24時間戦っていました。

内外市場の違いがある

外国市場との大きな違いがあります。

日本の時価総額は確かに拡大していますが、株価の流動性は違います。日本の場合、今でも特定株が多い傾向にあります。銀行の持合株は減少しているようですが、業界で持ち合ったり、企業ファンドが保有したりしています。

日本ではETF(上場投資信託)で日銀も保有しています。それ以外に政府系のファンドも保有しています。浮動株が少ない状況で、需給関係から価格の正当性が歪められないか、不安は残ります。本当に理論上評価された株価なのでしょうか。

政策の後押しが、インデックス採用銘柄のみに集中しています。

イメチェンは嫌いですか?

社会の変革には新興勢力の台頭が不可欠です。

しかし、日本の歴史を紐解くとき大変革(激変)は、三回くらいでしょうか。一回目は織田信長の出現です。強大な新興勢が出現し強力なリーダーシップで公家社会を変革しました。

二回目は明治維新です。「強力なリーダーの出現?」というよりは、外国勢力(黒船)に対抗するために変えざるを得なかったと考えた方がいいでしょう。議会制度を採り入れ、近代国家の体(てい)を整えました。一つ間違えば、イギリスかフランスの植民地になっていたのかもしれません。

最後は世界大戦です。日本は敗戦国になりました。米国の指揮の下、日本国は再出発しました。しかし、政治構造の大変革には手を付けませんでしたよ。大統領制は実現しなかった。大きく変えませんでしたが、婦人参政権などの変革はありました。

戦争突入の政変は軍事クーデターで起こっています。その状況から考えると、現状の日本では97%起きそうもありません。

日本人の優位性いくつある?

構造改革を平和的に実行するためには多数の論理が必要です。時間をかけて国民の意見をまとめていくことです。強力なリーダーでなくても時間をかける意味において長期政権である必要があります。マイナーチェンジは試行錯誤しながら徐々に変えていくからです。日本人の一つの優位性だとおじさんは思います。

日本のアニメ制作は一枚のセル画を少しずつ変化して描いていきます。長編アニメでは100万内以上のセル画が描かれると言われています。今は、CGで行われて、時間は大幅に短縮されるでしょう。アニメは日本の文化という人がいます。徐々に変えていく。コンセンサスを得ながら変化を受入れていく。おじさんは「激変」よりはそちらの方がいいと思います。

日本の構造改革は2歩進んで1歩下がる。アニメのように徐々に変化を受入れていく。しかし、世界の変化のスピードは非常に速い。最先端では悠長なことは言っていられないのも事実です。

でも、大丈夫。もう一つ日本人の優位性が有ります。勤勉で真摯に学ぶことが出来ることです。以前、「ヘッジおじさんのチャンネル」でも、「学ぶ」は「真似る」から来ているという話をしました。つまり、最先端分野では、「勤勉で真摯に真似る」で対応できるのです。

日本の投資は長期で見ようよ。

日本の構造改革は進んでいないように見えて少しずつ進んでいます。その変化は長期で見ないと分かりません。

おじさんにはよく見てもわからないかもしれません。日本は徐々に変わり始めています。そういう見方でいうと最高値更新ではないのです。違うトレンドに向かっているのです。実際、日経採用銘柄も60%程度は当時と入れ替わっており、徐々に産業構造も変わっているのです。気付かないだけですよ。

短期は損気ですね!