エアーズシー証券のメルマガ 2026年10月20日号

1.マーケットのこと(今回の視点)

今週のヘッジファンド 
 HEDGE FUND WEEKLY 
 2026年10月16日号 対象期間:2026年10月12日(月)~10月16日(金) 

  
今週号も、ヘッジファンド業界の重要ニュースを5~7本に厳選し、一般投資家の方にも分かりや  すく解説する構成とします。 
 メルマガ配信およびホームページ掲載を前提に、ニュースの事実関係を確認し、エアーズシー証券  独自の文章として編集します。 
  
1.アジアの投資家、ヘッジファンドへの資金配分を拡大 
 アジアの年金基金、ファミリーオフィス、富裕層投資家の間で、ヘッジファンドへの投資を増やす  動きが広がっています。 
 10月13日のReutersの報道によると、背景には債券市場の不安定化と株式市場におけるAI関連  銘柄への投資集中があります。 
 世界のヘッジファンド運用資産は2026年第2四半期に過去最大となる4,090億ドル増加し、約5.6  兆ドルに達しました。 
 スイスのプライベートバンクUBPでは、アジアの投資一任顧客におけるヘッジファンド専用運用 契約の比率が2024年末から3倍以上になったとされています。 
  
なぜ重要なのか 
従来の資産運用では、株式と債券を組み合わせることでリスクを分散する考え方が一般的でした。 
 しかし、金利上昇によって株式と債券が同時に下落する局面では、従来型の分散投資だけでは十分 な効果を得られない場合があります。 こうした背景から、株式や債券とは異なる収益機会を追求するヘッジファンドを、長期的な資産配分の一部として組み入れる動きが強まっています。 
   
2.ヘッジファンド、9月はマイナス0.31%も年初来8.27%のプラス 
 10月14日に公表されたSS&C GlobeOpのデータによると、同社が管理するヘッジファンドの9 月の運用成績は平均マイナス0.31%となりました。 
 一方、年初来リターンはプラス8.27%、過去12か月ではプラス12.99%となっています。また、10月の投資家資金動向は小幅な純流出となりましたが、前年と比較した資金動向の水準は依然として高い状況です。 
  
なぜ重要なのか 
 9月は金利やエネルギー価格の変動、AI関連株の不安定な値動きなどが運用に影響しました。 
 ただし、単月でマイナスとなったことと、中長期の運用成果は分けて評価する必要があります。 ヘッジファンドを評価する際には、直近1か月の成績だけでなく、年間の収益、最大下落率、株式市場との連動性などを総合的に確認することが重要です。 
  
3.大手ヘッジファンド、人材獲得競争が激化 
大手マルチストラテジー型ヘッジファンドの間で、優秀な運用人材の獲得競争が続いています。 
 10月14~15日には、Balyasny Asset ManagementがMillenniumのポートフォリオ・マネージャ  ーを採用する動きや、MillenniumがCitadel出身の金利トレーダーを採用したことなどが報じられました。 
 また、Balyasnyはクオンツ運用分野の幹部人材の採用も進めています。 
  
なぜ重要なのか 
マルチストラテジー型ヘッジファンドでは、株式、金利、為替、クレジットなど、専門分野の異な 
る運用チームがそれぞれ収益機会を追求します。 
 そのため、優秀なポートフォリオ・マネージャーの確保は、運用会社の競争力を左右する重要な要 
素です。 
 ヘッジファンドの運用能力は、戦略だけでなく、それを実行する人材とリスク管理体制によって支えられていることを示しています。 
  
4.ヘッジファンド、米ドルの買い持ちを縮小 
 
10月15日、世界の株式市場が下落する一方で米国債が買われ、ヘッジファンドが米ドルの買い持 
 ちポジションを縮小する動きが報じられました。 
 金利や為替、株式の関係は、市場環境によって変化します。従来の想定とは異なる資金の流れが生 
 じることもあります。 
  
なぜ重要なのか 
 グローバル・マクロ戦略では、株式だけでなく、金利、為替、債券、商品などの市場を横断して投 
 資判断を行います。 
 市場環境が変われば、買い持ちだけでなく売り持ちも活用し、ポジションを柔軟に変更できること 
 が特徴です。 
 今回の動きは、特定の資産の上昇だけに依存せず、世界の資金の流れの変化を捉える運用の重要性を示しています。 
  
5.ヘッジファンドの新規設立が減少、既存ファンドの安定性に注目 
10月15日には、2026年第2四半期のヘッジファンド新規設立件数が前四半期比で約40%減少す 
 る一方、ファンドの清算件数もほぼ半減したと報じられました。 
 新規ファンドの設立が減少する背景には、運用環境の複雑化、運営コスト、資金調達環境など、複 
数の要因が考えられます。 
  
なぜ重要なのか 
 ヘッジファンドの新規設立には、運用人材だけでなく、リスク管理、法務、コンプライアンス、フ 
 ァンド管理などの体制整備が必要です。 
 投資家にとっても、運用実績の長さや組織体制、運用資産の安定性は重要な選定基準となります。 
 今回の動きは、運用戦略の魅力に加えて、運用会社としての継続性や管理体制が一層重視される可能性を示唆しています。 
  
6.AI関連株の変動、ヘッジファンドの運用判断を左右 
 ヘッジファンドは9月、米国の大型テクノロジー株の一部で買い持ちを増やす一方、銘柄によって 
 は売り持ちを増やすなど、選別的な投資を進めました。 
 10月15日の報道では、Alphabetなどへの買い持ちが増加したことが取り上げられています。 
  
なぜ重要なのか 
 AI関連企業は一括りにされがちですが、半導体、ソフトウェア、クラウド、AIインフラなどで 
 は、成長性や収益構造、企業価値評価が異なります。 
 株式ロング・ショート戦略では、成長が期待できる企業を買う一方、割高と判断した企業を売るこ 
 とで、銘柄間の価格差から収益機会を探します。 
 AI市場全体が成長していても、すべての関連企業が同じように恩恵を受けるわけではないことが、 
 銘柄選別の重要性を高めています。 
  
今週を振り返って 
 今週のヘッジファンド業界で特に注目したいのは、アジアの投資家によるヘッジファンドへの資金 
 配分の拡大です。 
 これまで資産運用の中心であった株式と債券だけでは、十分な分散効果を得られない場面が増えて 
 います。 
 その一方で、ヘッジファンドには、マルチストラテジー、グローバル・マクロ、株式ロング・ショ 
 ート、クオンツなど、多様な運用手法があります。 
 今週のニュースは、ヘッジファンドへの関心が高まると同時に、運用会社や戦略ごとの違いを理解 
 する重要性も高まっていることを示しています。 
 ヘッジファンドは、株式や債券に代わるものではなく、それらを補完し、ポートフォリオ全体の収 
 益機会とリスク分散を考えるための選択肢の一つです。 
  
主要参考情報 
 Reuters(2026年10月13日)「Hedge funds are a top draw in Asia as investors look beyond bonds」 
Hedgeweek(2026年10月14日)「Hedge funds decline 0.31% in September as investor flows turn negative – SS&C GlobeOp」 
Hedgeweek(2026年10月14~15日)業界ニュース・運用会社動向 
  
ご注意事項 
 本資料は、各種公表資料および公開情報等を参考に、エアーズシー証券株式会社が情報提供を目的として独自に編集・作成したものです。 
本資料は、特定の金融商品、投資戦略その他の取引の取得・売却等を勧誘または推奨するものではありません。掲載情報の正確性、完全性および将来の結果を保証するものではありません。 
 ヘッジファンドへの投資には、運用戦略、レバレッジ、流動性、為替変動等に伴うリスクがあり、投資元本を下回る可能性があります。 
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