ヘッジおじさんのつぶやき提言

ブログを読まれる前に

このブログはファイナンシャルアドバイザーの立場から投資家の皆様のためにつぶやくことが原則です。出来れば書きたくないことの方が多いのが世の中です。しかし、知らないと不利なことが多いのです。たとえば、各運用会社がどうやって投資信託のファンドマネージャーを選別するのか?おじさんは一番気にかかります。自分の大切なお金の運用を任せるのです。気にかからない方がおかしいですよ。命の次の次くらいのお金の話です。運用を始める前に、おいしいコーヒーを横において見て頂ければ幸いです。

階層別資産運用のススメ2-その1
~~資産形成層から資産運用層へ~~

下落局面は、資産形成層には勉強のチャンス

2024年1月から新NISAを始めた人たちはこの下落相場では止めないでください。短気は損気ですよ。ドルコスト平均法による積立方式は、価格変動リスクのあるものが安くなった時に効力を発揮します。投資しているものがデフォルトしない限りは止めないことです。50年倒産しない企業であれば、バフェット氏が証明しています。金融の世界ではデフォルトとは信用リスクのことで、損出額が最大になります。投資元本が戻ってきません。インデックスファンドなら日本国が存続する限り、止めないでください。株式投資の場合は、仮に購入した会社が、倒産して債務を整理し、債権者に返済した後に残余財産があれば投資資金が返済されます。株式投資の基本は企業価値をどう見るかです。債務超過になるのかどうか。購入した会社の決算資料を見ながら、売り上げは減るのか増えるのか、など、金融の勉強だと思って、その会社を何度も調べてみてください。そこで、駄目だという結論を出したのなら、授業料だと思って損切りです。

リスクとは上下の変動幅

相場の世界では、変動幅が少なくなってくると要注意です。売り買いが均衡してくるからです。売り買いが均衡している状況では、どちらかに有利な情報が出ると、トレンドを形成しやすくなります。市場は上昇力が強い時はそれほど下がりませんが、上がり切ったところの下げ率が一番きついのです。「山高ければ谷深し」と相場の格言通りです。また、テクニカル分析という手法で投資する方もおられますが、三段上げの二段下げで止まらないと、上昇幅の半値、八掛け二割引きなど、底値の議論が始まります。分散投資をしていれば慌てず、継続しておきましょう。下げ相場では精神的なダメージがありますが、倒産しなければ損は出ません。結果は30年後ですから、勝負はこれからです。

資産運用層の基本は、投資元本を減らさない

「長期、分散、積立」が、運用方法の基本ですが、資産形成層と資産運用層では運用方法が変わってきます。資産形成層については階層別資産運用のススメ1をご参照ください。今回は資産運用層の運用を考えていきましょう。当社では、金融資産で3000万円以上のマス富裕層の方を資産運用層と考えています。資産運用層の運用方法は、「投資元本を減らさない」ということです。

運用方法の基本の中で、リスクを出発点に考える習慣を身に付けてください。「リスクがあるからリターンはある」、これも運用の基本です。金融庁のホームページでは、リスクは可能性と定義しています。リスクを取らなければリターンは得られないからです。そして、その結果だけを見て判断しないことです。広告におけるリターンの表示には気を付けてください。実績リターンであっても、皆様が投資するのはあくまでも未来にむけての投資です。過去のトラックレコードによるリターンは、未来の期待リターンとイコールではないということです。未来は不確実です。

まず、ポートフォリオを作ろう

「投資元本を減らさない」第1はハイリスク・ハイリターンを見直すとことです。その為に、ご自身のポートフォリオを作りましょう。作成は、アドバイザー等に相談するのがいいと思いますが、保険や不動産も含めた資産表を作成します。それぞれの資産状況を把握し、その資産の配分を検討していきます。

資産運用層の目標リターンは、インフレ率+αを基準に考えましょう。今、日本のインフレ率は潜在的に3%くらいでしょうか?戦後からデフレ時代も含めると2~3%だと思います。今の日本はハイパーインフレには成り難い現状です。投資元本を減らさない運用とは、リスク金融商品から撤退することではありません。デフレ時代であればひたすら現金で持つ運用も効果的ですが、インフレ時代に戻った日本にとっては相対的に確実に財産を減らす結果になってしまいます。

ここで、重要になってくるのが、アセット・アロケーションという考え方です。資産クラスで運用を考える、その資産クラスごとのリスクと期待リターンの関係から、インフレ率+α以上の運用ができるかどうかを考えることです。古くから、日本では資産の三分割法がありました。資産形成層は、まずは、資産を作らなければならない方々。資産運用層は資産を減らさず、効率良く運用する方々です。人生100年時代であれば、資産形成は30年以上かけて資産を作り、20年は効率よく運用して老後を楽しみながら、個人の財産とします。そして、財産承継層に移行しましょう。