ヘッジおじさんのつぶやき提言

ブログを読まれる前に

このブログはファイナンシャルアドバイザーの立場から投資家の皆様のためにつぶやくことが原則です。出来れば書きたくないことの方が多いのが世の中です。しかし、知らないと不利なことが多いのです。たとえば、各運用会社がどうやって投資信託のファンドマネージャーを選別するのか?おじさんは一番気にかかります。自分の大切なお金の運用を任せるのです。気にかからない方がおかしいですよ。命の次の次くらいのお金の話です。運用を始める前に、おいしいコーヒーを横において見て頂ければ幸いです。

狼狽売りはするな、相場は冷静に!
 お金の流れで経済ショックは起こる…その2

経済スピードはそんなに速くないでしょう。

今年の3月15日に「相場に熱くなるな」お金の流れで経済ショックは起こる、を書きました。まあ、上がれば下がる。常識です。相場の格言「山高ければ谷深し」とよく言われます。おじさんは、元旦恒例の新年予想で、日経平均29,000円~39,000円と予想しました。34,000円±5,000円と想定しました。為替は145円±20円で125円~165円です。日経平均は早々に外しましたが、39,000円を超えることはないと思っていました。それは東証の時価総額が1000兆円を簡単に超えることはないと思っていたからです。強力な経済成長戦略の政策を打ち出して、GDPが急膨張するような事態を想像できませんでした。

しかし、円安効果は想定外の海外投資家の爆買いを誘発させてしまいました。それも、金利のつかない円資金を調達して、為替リスクが少ない資金で買うのです。いくらでも買えます。株価が上がらなくても為替差益が出るからです。しかし、その資金を規制するのは難しいでしょう。為替介入だけでは効果は薄かったのかもしれません。しかし、コストゼロのお金ではなく、多少でも金利を支払はなければならなくなった。もしかしたら円高くなるかもしれない。爆買いが爆売りに変わったしまったのかもしれません。お金の流れが完全に変わったのでしょうか?

2回目のブラックマンデー

8月には入って日本株は大荒れです。7月の高値から10,000円くらい下落しました。人生でブラックマンデーを2回の経験するとは思いも寄りませんでしたが、2度目は慣れてくるものです。今回の暴落は、多分日本だけでしょう。世界にも波及しますが、事情は少し違います。海外株式は景気減速を織り込み始めていますので、もともと調整局面です。しかし、日本株式は景気減速を織り込んでいません。もともと景気拡大も織り込んでいません。デフレによる割安状態が25年近く放置されていました。そこに、円安が加わりもっと割安状態。円安による貿易黒字の復活?インバウンド需要の想定外の拡大?それだけでは、完全に日本経済が復活したとは思えませんでした。42,000円ちょっと「嘘でしょう」と思っていたほどです。

日銀は金利を上げて、日本経済の過熱感を抑えようとしたのでしょうか?おじさんは爆買いのお金に少し金利を取って、けん制しようとしたのでは、と思っています。米国経済がリセッションに入るかどうかの潮目で、日本経済が景気拡大をしていくとは日銀も観ていなかったと思いますが、金融政策が誤った結果です。円投の投資家のシステムがはかなりの過剰反応をしたのだと思います。このままだと、またデフレ経済に逆戻りしかねない大きな節目です。輸入物価は確かに上昇を続けていますが、決して消費は過熱していません。株価の調整は仕方がないことです。日本のGDPの2倍近くまで時価総額が膨張したのですから。

おじさんは昨年、日経平均は順調に回復し始めましたので、3月に一度警告しました。上がることは日本にとっては悪いことではないですが、上昇に水を差すようですが、暴落が来なければいいなと。そして、神田財務官は160円台で大幅な為替介入をしました。確かに円安スピートが少し早すぎました。スピード違反は取り締まる。150円くらいがコンセンサスだったのかもしれません。植田日銀総裁は、日本はデフレから脱却したことをアピールし、金利引き上げで実行したのです。これもコンセンサスは0.5%~1.0%だったのかもしれません。外国人観光客も年後半は減るかもしれません。外人の日本株投資も確実に減るかもしれません。誰が42,000円の高値まで株式を買い上げるのでしょうか?日銀?新NISA?

信用取引は決済へ。長期投資の基本、安くなった時が買い時。

株式市場は40,000円台に戻るのに少し時間はかかると思います。これから米国が景気リセッションに入る可能性があるからです。インフレが止まらないかもしれないというが懸念はあるでしょう。金利ももう少し上がるかもしれません。しかし、日本ではこの先10年5~6%のインフレになる要因が全く見当たりません。消費や住宅投資がこれからもっと伸びるかといえば、多少若年層の年収が上がっても内需は大きく上昇するとは考えにくいです。

若者の思考は昔と変わっています。車は持たない、住宅は買わない。インフラは大きく変わり様がない。今後人口が拡大する海外市場に期待するしかない。インバウンドがこの円高で急ブレーキにでもなれば、景気は冷え込みます。中国経済は当面厳しい状況が想定されますので、他力本願は米国だけです。米国も景気リセッションで、もしトランプ大統領になれば自国経済優先の政策を推進するでしょう。

少子化問題の解決の進展もない状況で外需がなければ日本経済は浮上しません。信用取引をしている投資家は資金が無ければ損切りです。あれば、銘柄によっては現引きです。年内の動きは32,000円±4,000円というところでしょうか。

但し、日銀が大胆な金融緩和策に戻れば、また上振れがあるかもしれません。為替介入と利上げは何だったんでしょうか?バブルの芽を早めに摘んだと解釈もできるかもしれません。ソフトランディングには失敗しましたが。どちらか、一方の政策で良かったのかもしれません。デフレに逆戻りでは今までに使ったお金はどうなるのでしょうか?

だからヘッジファンドは有効です。

こんな時だからこそ、ヘッジファンドが見直されなければならない。ドル安ですが、海外投資をするチャンスかもしれません。おじさんは今後もっと円高になる要因はそれほどないと思っています。あるとすれば、米国経済のリセッションで、先進国合意のドル安政策。リスク回避的に平和な日本の貯蓄率の高さからまた円が買われるだけです。その円高も個人的には140円±5円程度だと思います。それ以上の円高になると輸入物価の上昇率は相殺されてまた輸入物価によるインフレ解消、そして消費落ち込みによるデフレ復活です。

でも、そうはならない。10年サイクルの長期で見れば緩やかではありますが、右肩上がりの上昇トレンドは崩れていません。また、為替相場はまたゆるやかに150円台を目指す動きです。2~3%のインフレや名目金利の1%はグローバル資本主義経済にとってはまだまだ低金利です。

買いポジションだけの資産運用は、不透明な相場環境では不安です。資産形成層では投資期間は超長期になるので余裕資金が出来れば、追加投資で対応できますが、資産運用層では大きく資産を損なうハイリスク運用はダメージの修復に時間を要するのは得策ではありません。マクロ経済を分析に常にリスク管理をしながら絶対リターンを目指すヘッジファンドが有効だと思います。