賢明なる投資家の皆さん
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~~~世界三大投資家とともに投資を~~~
投資はカンジョウでするもの?
資産運用熱が高まっているようです。ネットメディアでは投資についての記事や広告で溢れています。おじさんは「熱くなるなよ」と、つぶやきました。投資は「感情」でするものではなく「勘定」でするもの、とおじさん語録に入れています。「勘定」とは複式簿記に出てきます。簡単に言えば「数える」ということです。「数える」というだけではありません。「読む」が含まれています。実は、この「読む」ということが一番大切です。
江戸時代に「勘定奉行」という役人がいました。どんな仕事をしていたのでしょう?主な仕事は幕府財政の管理監督、そのほか関八州の天領・私領地の民事一般です。財政の基本は予算と計画です。そこに財政の「読み」が必要になります。どれくらいのコメの取れ高になるのか、年貢はどれくらい入ってくるのか、大奥がどれくらい浪費するのか、数字を読まなければならない。読み違えると最悪の場合、切腹です。命がけの「読み」です。おじさんが国債の引き受け等の仕事をしていた時、財務省の周りには11月頃から年末までタクシーの行列がとぐろ(つちへんに「時」と書く)を巻いていました。
「とぐろ」の本当の意味
「とぐろ」という表現は蛇が、らせん状に寝ている状態をいいますが、はじめの意味は鳥が巣の中で寝ている状態をいいました。鳥は飛んでいるときより寝ているときのほうが危険な状態です。財務省では、予算決定の時期はまさしく夜も安心して眠れない日々が続いていたのでしょう。つまり臨戦態勢ということでした。とぐろを巻いていたのは、タクシーではなく財務省の官僚の皆様でした。ご苦労様です。
世界の三大投資家とは?
世界三大投資家は、ご存知でしょうか?
三大投資家とは、ウォーレン・バフェット氏、ジョージ・ソロス氏、ジム・ロジャース氏です。それぞれ健在です。日本ではバフェット氏は有名ですが、ほか2人はあまり知られていないのではないでしょうか?ロジャース氏は引退しています。他の2人は現役です。
バフェット氏を語るうえで、まずグレアム氏のことを語らなければならないでしょう。
バフェット氏が父以外で人生に最大の影響を受けた人
ベンジャミン・グレアム氏は米国では「バリュー投資の父」と呼ばれているプロの投資家です。1894年ロンドン生まれ。日本では日清戦争が起きた年です。1914年コロンビア大学を卒業し、ニューヨークの証券会社に入社しました。その後、ジェローム・ニューマンと投資会社を設立。1929年ニューヨーク市場の株価大暴落(暗黒の木曜日)をきっかけに健全な投資の研究に取り組み始めました。そして、投資では最も権威のある「証券分析」と「賢明なる投資家」を発表しました。
グレアム氏は、「投資は詳細な分析に基づいたものであり、元本を保全して適切なリターンを上げること」と定義します。そして、投資においての厳守は、「企業の有形資産価値を大幅に上回る価格の株式には手を出さない」ということです。最後に「投資が最も能率的になされるときこそ投資家が最も知的になるとき」としています。それ以外は「バカげたこと」です。
バフェット氏はこのグレアム氏がコロンビア大学で教鞭をとっていた時の学生で、唯一A+をもらった教え子です。バフェット氏はグレアム氏が書かれた「賢明なる投資家」を体現したまでのこと、とおじさんは思います。
ウォーレン・バフェット氏
バフェット氏は、1930年アメリカのオマハで生まれました。アメリカ大統領から勲章を頂くほどの人で「オマハの賢人」と称せられる方です。子供時代のエピソードはご存知の方も多いとは思いますが、6本25セントのコーラを祖父から買って、1本5セントで売ったという話です。幼い時からビジネスの才能が溢れていました。
11歳の時、初めて姉のドリスと一緒に「シティ・サービス」の優先株を1株38ドルで3株購入しました。その株は27ドルまで下落し、姉に対して責任を痛感し、その後40ドルまで回復したところで売却しました。その株は長期的に値上がりし200ドルまで上昇しました。3つの教訓を学んだと述懐しています。
① 買った時の株価にこだわってはいけない。
② よく考えずに小さな利益を得ようとしてはいけない。
③ 他人のお金での投資は慎重にしなければいけない。
中学生時代、ワシントン・ポストの配達アルバイトを始め、自転車を仕事の経費としたり、13歳で初めて所得税を申告したり、とビジネスの才能は磨かれていきました。納税もして、正当なやり方で利潤をあげていきました。まさに天才ですね。
コロンビア大学に「賢明なる投資家」や「証券分析」の著者ベンジャミン・グレアム氏やデイビット・ドット氏が教鞭を取られていると知ってコロンビア大学に進学しました。
投資手法は、先にも述べましたが、「賢明なる投資家」を実演しました。
①内在する企業価値を重視し、決して割高なものは買わない。
②長期投資で、50年は持てる株を買う。10年以内に売るような株は買うべきでない。
③事業内容が理解できるもの、既存業種が好み。社会の必要性を認識する。
④経営者の能力を見る。尊敬できる経営者に投資する。
⑤決して高いものは買わない。バフェット指数など考案。
以上の投資手法を、彼の言葉で言えば
「株式投資の極意は、魅力ある会社を見つけて、いいタイミングで買って、いい会社である限り持ち続けること」
他の2人は、アナリストとトレーダー
では、ほかの2人はどうでしょう?何故、日本では知名度は低いのでしょうか?
実は2人はクォンタム・ファンドというヘッジファンドの共同設立者です。ジム・ロジャース氏は投資分析をするアナリストで、天才的なトレーダーがジョージ・ソロス氏と言われています。
ジム・ロジャース氏は1942年生まれ。イェール大学を卒業後、オックスフォード大学に留学、奨学金で株式投資を始めます。1968年ウォール街で見習いアナリストとして働き始め1973年ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを設立します。
ジム・ロジャース氏の投資手法はロングアンドショートを変則的機動的にとることです。また、投資対象は株式だけではなく通貨や商品、先物やオプションも利用します。
どんなにいい株式も上昇するときと下降するときがあります。また、マーケットリスクも出てきます。株式や債券は決して同様な動きはしません。ロングポジションだけではなく、ショートポジションも有効に使い、資金の効率性も投資成果に大きく貢献します。
この手法は後にグローバル・マクロ戦略とよばれるヘッジファンド運用の先駆けとなりました。投資の実戦で成功を収めましたがバフェット氏とは方法論は異なります。
クォンタム・ファンドとは?
ジョージ・ソロス氏を語る前に「クォンタム・ファンド」について見ていきましょう。
1973年「クォンタム・ファンド」は設立されました。ファンド名は不確定原理を基礎とするハイゼンベルグの量子力学の「量子quantum」から名付けられました。このファンドは10年間で約40倍のリターンを上げています。そして、ヘッジファンドの運用実績を世に知らしめました。1960年代以降のファンドビジネスはミューチュアル・ファンドのマゼラン・ファンドとヘッジファンドのクォンタム・ファンドに二大選別されます。
ジョージ・ソロス氏
最後に、ジョージ・ソロス氏です。ソロス氏はバフェット氏と同1930年生まれですが、ハンガリーで生まれました。幼少のころは、ナチス・ドイツの支配下にあった国だったことから「生き残ること」が唯一の目的だったようです。特にユダや人だった少年ソロス氏は屋根裏部屋で生きる術を学びました。1947年、戦争が終結し生きのこったソロス氏は英国に渡り、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)に入学しますが、授業料を自費で賄うため重労働の仕事などを掛け持ちしていました。ある時、脚を骨折し全く仕事が出来なくなり、無一文になって絶望していたソロス氏のもとに思いがけず保険金の小切手が送られてきて、そのお金で授業料を支払ったというエピソードがあります。
1954年ロンドンの商業銀行に就職しましたが、1956年ニューヨークの証券会社に転職しました。その理由はウォール街で十分な資産を稼ぐためだったと本人は述べています。証券会社に入ってトレーダーとして従事していますが、政治的な変遷から通貨に対して天才的な能力を発揮していきます。1970年ジム・ロジャースとともにファンドを設立し、1973年より運用開始します。
ソロス氏の投資は本人が提唱する「再帰性」の理論に基づいて行われていると言われています。この再帰性の理論は非常に難解です。おじさんの頭では回路がショートします。(ロングアンドショートとかけています)まずソロス氏のよく使う言葉に「市場は常に間違っている」という発言を理解する必要があります。
再帰性投資とは?
例えば、自然現象と社会現象には大きな相違がある、その相違は社会現象には不確定な人間の行動や感情や意志などの要素が絡んでいる、ということです。現在、天気の変化はかなり予測が可能になってきましたが、「今日は暖かいか」という現象を問われた時、「寒暖計で18℃です」という回答は正解です。これが自然現象です。しかし、Aさんは厚着をしていたので、「今日は暑いです」と回答するかもしれません。Bさんは半袖で、「ちょっと肌寒いです」と回答するかもしれません。
では、「A社の株式が急落した」という現象を問われた時、どんな答えが想定できるでしょう。何故下がったのか?業績が悪化したのか?でも買っている人もいる、この人たちは別の理由を知っているのか?
ある現象に遭遇して自己判断、感情などが混入して様々な行動を人は取ります。回答が同じでも全くプロセスは同じではありません。それが社会現象です。A社株式は、「もっと下がる」、「否、ここから上がる」の判断についても人は強弱が相違します。全部売却してしまうのか、空売りを掛けるのか、半分にするのかなどです。
市場参加者の判断は千差万別です。その判断を下すとき、その人たちはA社のすべての情報を知り得ていないのです。A社株式の売却をした人たちは自分たちが知り得た情報で売却行動を取りました。買った人たちは別の情報をもっていたのかもしれません。売買が成立しているということは、価格は決定しています。しかし、その価格は全ての情報を知り得て成立した価格なのかどうか?判断不可能です。市場はその価格が公知の価格として売買が行われていますが、公知であれば価格は一定で硬直するはずでしょう。つまり、誰一人として全ての情報を知り得て(=真理として)行動を起こしているわけではないということです。ソロス氏は「社会現象である市場は常に間違っている」と考えたのです。そして厳格に白黒がつけられない状況で売買が成立しているという永久的なループ状態であると認識します。そのから、社会現象には「再帰性」があると見ています。元に戻ろうとする働きが社会現象には生じてくるというのです。なぜなら、人の社会現象における認識が間違っているとすると修正しようというバイアスがかかって、お互いが逆のことをしたりするのというのです。
ソロス氏は、上がるか下がるかの永久ループの中で人の認識と伴う行動で、8段階の再帰性株価モデルを発案しました。株価のテクニカル分析に似ています。これが上昇トレンドや下降トレンドを作るのでしょう。
効率的市場仮説というのがあります。市場価格は常に効率的でどんな手法を屈指しても市場の平均的なリターンを超えるパフォーマンスを上げるのは不可能であるという考え方です。この市場においては裁定取引が行なえません。
もし、効率的市場仮説が真理であるならばバフェット氏の投資方法が最善です。効率的な市場の中で割安に放置されていれる株式を買っていれば市場リターンは取れて下落について抵抗力があるからです。「企業の有形資産価値を大幅に上回る価格の株式には手を出さない」は鉄則です。
日本では、バフェット氏の投資哲学が理解しやすく信奉されています。バリュー投資は価格の変動が比較的安定しています。証券取引所は上場維持基準に「PBR1倍未満の企業は対策を出さなければ上場廃止も辞さない宣言を出しました。賢明なる投資家は行動を起こして来ています。では、その行動をいち早く起こしたのは誰だったでしょう。バフェット氏であり、外国人投資家です。
世界三大投資家の違いは、InvestorとSpeculatorの違いだと米国では言われています。
その違いはいろいろありますが、おじさんが考えるのには「保有し続ける投資家」か「売買する投資家」かの違いです。「バイアンドホールド」か「トレーディング(ロングアンドショート)」かの違いです。それぞれのリターンの源泉はシステマティックリスクか非システマティックリスクかの違いです。その優劣はまだ結果は出ていません。それは未来の市場が無くならない限り継続して行くからです。
ジョージ・ソロス氏は「イングランド銀行を潰した男」と言われています。価格変動の振幅に勝負をするヘッジファンドは米国でもヒールされることが多いようで、市場混乱の当事者としてやり玉にあげられます。しかし、投資をする人が居なければ資本主義経済は成立しません。また、需要と供給の取引が無ければ資本主義が成立しません。投資に無関心な人が70%もいる国はまず投資をすることが大切です。資本主義経済を存続させるためには不可欠です。無関心ではいられない筈です。おじさんは、ヒールされるヘッジファンドに正当な評価を賢明なる投資家にしていただきたいと思っています。
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