ファンドオブヘッジファンズの手数料

ファンドオブヘッジファンズとは…

 ファンドオブヘッジファンズ(Fund of Hedge Funds をそのままカタカナ読みしたもので、FoHFと略されることもあります)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。(ファンドの複数形は、「ファンヅ」と書くのが正しい気もしますが、「ファンズ」と書くのが一般的です。日本語って難しいですね…)
 投資信託では「ファンドオブファンズ(FoFと略されます)」と呼ばれる運用形態で、いくつかの投資信託を選定して分散投資をする投資信託のことを言います。「ファンドオブファンズ」は、“男の中の男”みたいな表現ですから、「最高に素晴らしいファンド」のような響きがあります。同様にファンドオブヘッジファンズも「最高に素晴らしいヘッジファンド」の響きがあって、たいへん便利で貴重なヘッジファンドです。
 ファンドオブヘッジファンズは、特徴の異なるヘッジファンドで良好なパフォーマンスのものを複数、選んで分散投資します。ヘッジファンドには様々な種類があり、投資対象も株式、債券、デリバティブなど様々なものがあります。異なる値動きをするヘッジファンドに分散投資を行うことでリスクを減らす効果があります。投資対象の“ヘッジファンズ”をベビーファンド、“ファンドオブヘッジファンズ”のことをマザーファンドと呼んで区別します。
 利回りの高いヘッジファンドを組み合わせた場合、リスク・リターンの特性として、リターンは加重平均となるのに対して、リスクは分散が抑制されることで必ず低下します。そのため、ファンドオブヘッジファンズはリスクが低く、リターンが高いパフォーマンスを実現することができます。 
 また、既にクローズとなっているヘッジファンドでも、ファンドオブヘッジファンズであればアクセスができるものもあり、希少性のある高いヘッジファンドをポートフォリオに組み込めるメリットもあります。
 ファンドオブヘッジファンズがどのようなヘッジファンドなのかのイメージがわかりますように、当社が提供するファンドオブヘッジファンズについてのリンクを貼っておきます。

伝説的著名なファンドをコアにした8本 のファンドオブヘッジファンズ

世界的に著名なファンドを中心にした13本のファンドオブヘッジファンズ 

ファンドオブヘッジファンズの手数料は高い?

 ファンドオブヘッジファンズのデメリットとしてよく言われるのが、手数料が高いのではないかということです。分散投資を行うベビーファンドで手数料を取られる上に、マザーファンドとしても手数料が課されることになるため、手数料が二重にかかることで、手数料が高くなって、パフォーマンスが悪くなるのでは?というのが理由です。
 ファンドオブヘッジファンズについて書かれた書籍やインターネットの記事で見かけるのですが、手数料が二重にかかることでパフォーマンスが悪くなるのでしょうか。
 ヘッジファンドで負担する手数料については、前回、ご説明したとおり、運用時の手数料である残高報酬手数料と成功報酬手数料が中心です。残高報酬手数料も成功報酬もすべて「運用に係るコスト」に含まれるため、ヘッジファンドの実績を示す運用利回りは、そうした手数料を含むコストを差し引いた実質利益ベースで計算されます。マザーファンドは、すべての手数料を差し引いたベースの運用パフォーマンスがよいベビーファンドを選定しています。そのため、たとえ手数料が高いとしても利回りは高いです。(尚、マザーファンドは選ぶだけで運用をしないので、モチベーションを高める必要はないため、成功報酬型の手数料がかかるものはありません。ファンドオブヘッジファンズで成功報酬を取る者があったら、選ばない方がいいです。
 結果として、多額の手数料を引かれたとしても、ファンドオブヘッジファンズは高いパフォーマンスを実現できるわけです。運用の成果が、自分以外に渡されること自体が気に入らないという人もいるかもしれません。高い手数料をモチベーションとして最高の運用をするヘッジファンドでは、結果がすべてであり、手数料を控除したパフォーマンスがよいのであれば、文句はないでしょうというわけです。プロスポーツの選手が、高い年棒をもらって最高のパフォーマンスを見せてくれるのと同様かと思います。
 今回、ファンドオブヘッジファンズの話をしたのは、“ヘッジファンドの手数料が高い”のは事実ですが、高い手数料を払っても高い利回りを実現できているのであれば、ヘッジファンドは有用であることを示したかったからです。最高のパフォーマンスのために最高の報酬を払うのは、十分ありだと考えるわけです。
 尚、ファンドオブヘッジファンズは、株式と債券のように金融環境に応じて、反対方向に動く金融資産を組み合わせて運用することが多く、高い利回りを維持しながら、リスクが相殺しあって低くなるようにしています。また、運用比率が変化することによるリバランスもマザーファンドがやってくれます。ある意味、自分でポートフォリオを組み立てなくても、ファンドオブヘッジファンズだけ持てば、投資分散効果も得られることになり、たいへん便利です