世界のヘッジファンド運用残高、ついに「5兆ドル突破」

―マルチストラレテジーとクオンツがけん引する新時代 ―

世界のヘッジファンド業界に、明るいニュースが届きました。 
Hedge Fund Research(HFR)の最新データによると、 2025年、世界のヘッジファンド運用残高がついに5兆ドル(約750兆円)を突破しました。 これはコロナショック直後の2020年比で約+40%の増加。 
単なる資金流入ではなく、構造的な進化が進んでいることを意味しています。 

牽引するのは「マルチストラテジー」と「クオンツ」

かつてヘッジファンドと言えば、株式のロング・ショートが中心でした。しかし今では、マルチストラテジー型とクオンツ型が業界を牽引しています。

戦略タイプ運用残高シェア(2025年)年間成長率(2024年比)
マルチストラテジー26%+12.5%
クオンツ・システマティック21%+15.2%
ロング・ショート株式18%+4.1%
マクロ戦略14%+3.7%
イベントドリブン9%+2.8%
その他12%+5.0%


マルチストラテジーとは、複数の戦略を同時に運用する「ポートフォリオの中のポートフォリオ」。クオンツはAI や機械学習を駆使し、人間では追いつけない速度と精度でマーケットを読む。この2つの領域は、今や”ヘッジファンド2.0”とも呼ばれる存在になっています。 

クオンツ革命「AIがマーケットを読み解く時代」

近年、クオンツ型ファンドでは自然言語処理(NLP)や生成AIを組み合わせた 「ニュースセンチメント分析」や「AIモメンタム戦略」が急増。 
例えば、AIがニュース・SNS・企業決算のトーンをリアルタイムで解析し、市場心理をスコア化してポジションを取るという仕組みです。 このAI化の波が、伝統的ファンドの投資判断にも影響を与えています。 
もはや「感覚」よりも「確率」で動く時代に。 

個人投資家がヘッジファンド市場へ参入

興味深いのは、個人投資家(リテール層)の流入が増えている点です。 
アメリカでは、かつて“プロ専用”だったヘッジファンドが、 近年は「ライトバージョン」や「ファンド・オブ・ファンズ」として個人にも開放されつつあります。 

区分平均投資額主な投資手段
機関投資家約500億円超直接投資・共同運用
富裕層個人約5億円専門ファンド・ファミリーオフィス経由
一般個人約500万円~投信型ヘッジファンド・ラップ口座など

日本でも同様の流れが始まりつつあります。 
「ヘッジファンド=遠い世界」ではなく、「守りながら増やす」手段の一つとして 個人のポートフォリオに組み込まれ始めています。 

世界のヘッジファンド運用残高推移(推定)

運用残高(兆ドル)
20153.0
20183.6
20203.5(コロナ期)
20224.3
20244.8
20255.0

出典:Hedge Fund Research, Global Hedge Fund Industry Report 2025)
 


「動かす知性」が資産を守る時代 

マーケットの不確実性が増す中で、 ヘッジファンドの価値は“リスクを取る”ことではなく、 
「リスクをどう制御するか」という知性にあります。
AI、マクロ、マルチストラテジー—— 
その多様性こそが、次の10年の資産運用の鍵。 私たちのような専門会社が存在する意味も、まさにここにあります。 
市場の波を読むのではなく、波そのものを設計する時代へ。 

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