ヘッジおじさんのつぶやき提言

ブログを読まれる前に

このブログはファイナンシャルアドバイザーの立場から投資家の皆様のためにつぶやくことが原則として始めました。もう半年以上が経ちました。皆様のお役に立てているか。振り返ることがあります。是非、ご感想を頂ければ幸いです。暑すぎた夏も終わり、天高く馬肥ゆる秋。自分の大切なお金の運用をもう一度考えて見ましょう。おいしいコーヒーを横において見て頂ければ幸いです。

木(機)を見て森を見ず——これから新NISAを始める人に

投資の格言は理論的

投資の格言の一つに、「木を見て森を見ず」という言葉があります。この言葉の意味するところは、「株式市場の全体像を見ずに一つの銘柄だけを見て投資してはいけない」ということです。

具体的には、日本の株式市場を見た時に、例えば「任天堂」という株式の動向を見て、この銘柄が今が買い時なのか売り時なのか投資判断をするな、ということになるのでしょうか。おじさんはこの格言を、木→機と書き換えて「一つの株式の機を見て株式市場を考えないこと」と言い換えています。

投機とは何?プロの仕事

機会を捉えて投資をすることを投機といいます。投機に厳密な定義はありませんが、投資機会を捉えて、利ザヤを稼ぐ取引のことをいいます。投機というと、ギャンブルと考える方もいますが、投資機会については数理経済学の基本事項です。英語で言えば「トレーディング」とでも言いましょうか。

無数に存在する投資機会の集団から最適な投資機会を見出すのが、効率的フロンティアと呼ばれています。その点を結んでいくとCのような曲線になります。同じリスク量で最大のリターンを得えられる機会を捉えて投資できれば、最大のリターンを得ることができます。理屈上はその通りですが、具体的に実行するとなると、株式を例に取れば、常に動いています。曲線上の条件で、コストが掛けずに実行できるかが、大きな問題です。テクノロジーの結果、高速取引などが誕生しました。誰よりも早くその価格での取得を達成させるためです。

株価のリスクとリターンの関係は、単純ではありません。価格が上昇すれば、下落リスクが上昇し、リターンは減少します。どんどん上げればマイナスリターンにもなるのです。では、株価が下がれば、リターンは上昇するのかと言えば、そうではありません。その下落の要因の究明が必要で、別のリスク(この場合は無配転落リスクや成長力鈍化リスクなど広義の企業価値減少リスク、倒産リスクなど)が複雑に関連しています。

一般投資家はあらゆる投資機会を調査することはできません。では、何を根拠に投資機会を判断するのか?

結局は‟勘“ということになりますか?その勘も先入観なしに働かせることができますか?または、経験則を活かせることができますか?考えているうちに投資機会は消滅します。おじさんには正直に言ってできません。だから、木(機)を見る投資をおじさんは推奨しません。

森を見るとはどういうこと?

気候温暖化の原因は、開発による自然破壊(樹木の伐採)です。森にも一生があるのでしょう。環境の変化で砂漠になってしまうこともあります。自然豊かな森をまず見つけることです。地球規模で見つけること。そして、育てなければなりません。環境の変化は遅かれ早かれ必ず来ます。その為の対策です。たぶん人間にしかできないことでしょう。

世界経済からみると、森とは何でしょうか?これも有限ですが数え出したらキリがありません。例えば、国という森ではアメリカという森、日本という森、韓国という森、中国という森があります。産業という森では、自動車の森、小売業の森、半導体の森があります。経済という森では、国内経済の森、貿易の森、資源の森などです。もっと小さくすると、株式市場の森、金融市場の森、青果市場の森、消費市場の森…。森とは取引が行われる場所ということです。
では「森を見る」とはどういうことでしょうか?

おじさんは地球儀を見て考えた

日本も月への有人宇宙飛行を計画しています。

ソビエト連邦の軍人だったユーリイ・ガガーリンは、人類初の有人宇宙飛行を経験しました。その人の有名な言葉に、「地球は青かった」というのがあります。見るまでは、いろいろな色彩が考えられていたのでしょう。「百聞は一見に如かず」。一目で、「青かったのかあ」。

ちなみに、おじさんの会社のコーポレートカラーも青です。おじさんの会社は、海と空が合言葉、「エアーズシー証券」です。

道が逸れましたが、「大局を見る」「全体像を見る」ということは、物の見方として大事なことです。おじさんは、ガガーリンのように「外から見ること」だと考えています。大気圏外から見ると、今の地球はどうでしょうか?まだ、本当に青く見えるのでしょうか?部分的には少し緑に見え始めているのでしょうか?外から見ないと本当に分からないことです。

新NISAが始まりました。積み立て投資や成長株投資を考えている方がおられると思います。積み立て投資は機を見て投資をするものではありません。森を見て投資をすることが大切です。「森を見る」とは、これからの将来を見て、何が必要なのかなと考えることです。「必要は発明の母」おじさんの好きな言葉の一つです。その必要の森をまず見つけることです。その森は、日本の森か、海外の森か、自動車の森か、SDGsに関わる森か、半導体の森か、AIの森か、森を見て回ってみたらよいと思います。

一番大切なことは見つけた森を「育てること」です。育てるつもりで投資をすることです。おじさんは「もともと日本人は農耕民族でしたので、森を育てるのは得意だ」と思います。「育てること」が投資の根本だからです。